狭山養生鍼灸院

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肘の症状

肘の痛み、等についての解説記事をご紹介しています。

「テニス肘(ひじ)」

 肘(ひじ)の外側が痛いのを『テニス肘』といい、内側が痛いのを『野球肘』といいます。これら肘の痛みに、お灸はよく効きます。

 肘の外側が痛いときによく用いられるのに『曲池』というツボがあります。読んで字のごとく、肘を曲げたときに外にできるくぼみにあります。(『池』とはくぼみをさします。)実際には、肘を深く曲げたときに皮膚上にできるスジの外端に取ります。ここに八分灸を5壮ぐらいすえるとよいのです。

 ところで、仏教とともにわが国に伝来した灸療法は、またたく間に庶民の間に普及しました。鎌倉時代以後になると、軍記物語などの中で身体の部位を示すのにツボの名前を用いるということがよくみられるようになりました。『曲池』がそのように用いられている例を『備前老人物語』からご紹介しましょう。

 これは江戸時代初期の本で戦国時代に活躍した武将たちのエピソード集です。引用するのは、小田原の北条攻めの際、久世という家康の旗本と野中という相手方とが交した戦(いくさ)のもようです。

身体の部位をツボで表わす

 〈小田原陣の時、久世三四郎、左の手に疵(きず)を蒙(こう)むられ、鑓(やり)を左の曲池にかかえ、敵野中某にわたしあう。野中つよく鑓をうちはねければ、三四郎左の手かなわずして右の方へ鑓をうちやられながら、又最前のごとく左の手の曲池にかかえんとせられける処を、野中、鑓にて三四郎鼻柱を横につき候時、…〉

 読者のうち大部分の方は、もし曲池についての筆者の説明がなければ、上の文の描写を充分にご理解できないでしょう。ところが当時の人々は何の説明もなしに、現場に居合わせたごとく、リアルに理解できたのです。このことは当時の人々が多くのツボを常識として知っていたことを示しています。

  現代文の中にもツボの名前が自然に用いられるくらいにお灸が普及することを切望する次第です。

「ホームタウン 147号」 掲載
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「ゴルフ肘(ひじ)」

 ゴルフが大衆化するにつれ“ゴルフ肘”に悩む人もふえてきました。これには「熱くない・アトのつかない“八分灸”」がよいのです。

 肘のまわりには、グリグリと骨の出張ったところが、内くるぶし・外くるぶし・肘頭と3ヶ所あります。これらには多くの筋肉が付着しています。このうちゴルフ肘とは、この外くるぶし周辺が痛むものをいいます。外くるぶしに付着する主な筋肉は、尺側手(しゃくそくしゅ)根(こん)伸筋(しんきん)・小指(しょうし)伸筋(しんきん)・総指(そうし)伸筋(しんきん)です。これらの他の端は、手の甲や指に付着して終わります。ゴルフをすると、これらの筋肉が疲労して硬化し、そのためスムーズに伸びないために痛みを覚えるのです。

外くるぶしと筋肉にお灸

 治療としては、まず外くるぶしそのものにお灸をすえます。次に、外くるぶし周辺で筋肉の流れに注目しつつ押してゆき、圧痛の強い所に“八分灸”をすえるのです。

 この場合、一つの筋肉に10ヶ所くらい灸点を並べてつけ各灸点に4壮ぐらいずつすえます。なお、指にはつながっていませんが、肘筋へのお灸も大切です。

 家庭でもぜひ試してみて下さい。

「ホームタウン 266号」 掲載
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